細菌性胃腸炎(さいきんせいいちょうえん)

『細菌性胃腸炎とは?』

 

細菌性胃腸炎ともよばれ、食後に激しい下痢や嘔吐、腹痛が起こったときや、家族にも同様の症状が起こったとき、とくに血便が見られたときは、細菌性胃腸炎の可能性が高いといえます。

 

原因となる細菌にはいくつかあり、その種類によって症状が異なります。

 

サルモネラ菌

 

牛や豚、鶏の糞便にいる菌で、これらの肉類や卵、加工品、乳製品にもいる菌です。

 

とくに卵は集団食中毒の原因の半数を占めるので、赤ちゃんに卵を与えるときは、必ず火を通したほうがよいといえます。

 

また、ミドリガメなどのペットから感染することもあります。

 

8月をピークに、5〜10月の気温が高い時期の感染が傾向として多く、感染して12〜24時間で、激しい下痢や嘔吐、発熱などの症状が出ます。悪化すると、ひきつけや意識障害が起こることも。

 

カンピロバクター菌

 

牛、豚、鶏、犬や猫などのペットの糞便にいる菌で、鶏肉の半数にこの菌がいるといわれます。

 

感染して3〜10日間で感染し、発熱や嘔吐に加え、1日に何回も水溶性のうんちが出ます。

 

病原性大腸菌

 

大腸菌は人や動物の腸管に存在する菌で、ほとんどは病原菌ではありません。

 

病原性があるものは、組織侵入性大腸菌(そしきしんにゅうせいだいちょうきん)、毒素原性大腸菌(そしきげんせいだいちょうきん)、腸管病原性大腸菌(ちょうかんびょうげんせいだいちょうきん)、腸管出血性大腸菌(ちょうかんしゅっけつせいだいちょうきん)の4種類です。

 

中でも注意が必要なのが、O-157に代表される、腸管出血性大腸菌で、とても感染力が強く、人から人へも感染します。

 

感染して2〜7日で発症し、下痢や激しい腹痛、発熱、倦怠感のあと、大量の鮮血便が見られるのが特徴です。

 

乳幼児の場合は、急性腎不全や急性脳症を起こして死にいたる危険性もあります。

 

『治療方法と注意』

 

細菌性胃腸炎と疑われる症状が出たら、すぐに受診をしましょう。

 

細菌性胃腸炎では、細菌に感染したうんちをすべて体外に排出するため、下痢がひどくても下痢止めを使用しないこともあります。

 

症状が重いときは入院することもあります。家庭では、水分補給に心がけましょう。

 

食中毒を予防するため、食品や調理器具は衛生管理に気をつけることが大切です。

 

70度以上の加熱を数分行えば、ほとんどの病原菌は死滅しますので、乳幼児期には必ず火を通したものを与えましょう。

 

このほか、冷蔵庫のなかは定期的に中のものを取り出して、アルコールなどで殺菌消毒するようにしましょう。

 

ペットから感染することもあるので、ペットを触った後や、外から帰ってきた後、食事前などは、手を石鹸で洗うことをおすすめします。

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