貧血(ひんけつ)
『貧血とは?』
赤血球に含まれるヘモグロビンは、酸素を体のすみずみに運ぶ役割を果たしています。
このヘモグロビンの濃度が、通常より低くなった状態、これが貧血です。
貧血になると、筋肉や脳への酸素供給が低下し、組織としてうまく働かない状態に陥ります。
貧血が起こる原因には以下のようなものが挙げられます。
鉄欠乏性貧血
乳幼児に最も多く見られる貧血で、ヘモグロビンにふくまれる鉄分が不足して、ヘモグロビンの合成がうまくできなくなるために起こります。
程度が軽いときは、ほとんど症状が見られませんが、少し重くなると顔色が悪い、機嫌が悪いなどの症状が。
鉄分の服用が、改善策となりますが、根本的な解決のためには食事の内容を見直す必要があります。
鉄分を多く含む食品をとるよう、心がけましょう。
溶血性貧血
赤血球が何らかの原因によって、作られる以上のスピードで壊され、減少することから起こる貧血。
先天性と後天性があり、悪化すると黄疸が見られることも有ります。
先天性のものは薬で治すことはできません。
重症になると脾臓(ひぞう)を摘出することもあります。
後天性のものは薬剤により治療します。
再生不良性貧血
骨髄の異常が原因で、赤血球、白血球、血小板が減少する病気。
白血球が減少することによりいろいろな感染症にかかりやすくなるほか、血小板の減少により、鼻血や歯ぐきからの出血、皮下出血が起こりやすくなります。
このため、日頃からけがをしないよう気をつける必要があります。
通常は、出血と感染を予防する薬物療法、重症の場合は骨髄移植を行うことになります。
未熟児貧血
出生体重が、1500g以下の赤ちゃんによく見られる貧血で、生後1ヶ月以降に現れます。
生まれたばかりの赤ちゃんは、血液を作る機能が未熟ですが、未熟児の赤ちゃんはこの機能がさらに未熟なため、なりやすい貧血です。
出産後に検査を受け、貧血が認められたら、増血剤や鉄剤を投与します。
鉄分をあまり貯蓄できないため、定期的に補う必要があり、貧血の程度によって通院したり、自宅にて鉄剤を服用したりします。
>