妊婦とコンピューター
コンピュータを長時間にわたって操作する仕事に従事すると、妊娠経過に悪影響を及ぼし、異常妊娠をきたすと考えられた時代もありましたが、現在では否定されています。
すなわち流産、低出生体重児、先天奇形などの点から考慮して、コンピュータ操作とこれらの異常は有意な関連はないと結論づけられています。
VDT症候群の予防のために適度な休息をとり、長時間に及ばなければコンピュータ操作は妊娠に悪影響は及ぼしません。
『VDT(visual display terminal)』
コンピュータの普及に伴って、オフィスなどでコンピュータの端末の前で作業をすることが多くなり、VDT(visual display terminal)と呼ばれ、その作業はVDT作業と呼ばれています。
このようなことは単に職場だけではなく、インターネットの普及により家庭内にも及んでいます。
『妊娠とVDT』
1980年代のアメリカにおいて、妊娠初期にVTD作業を行った女性に異常妊娠が多く出たとの報告があり、その原因として電磁波による磁場の影響と結論づけた報告もありました。
すなわち、コンピュータの本体やディスプレイが妊娠に悪影響を及ぼし、流産したり、奇形児が生まれると考えられる時代もありました。
そのため、大きな社会不安となり、再調査が行われ、現在ではこのような考えは否定されています。
すなわち、VDT操作は妊娠に悪影響を及ぼさないと結論づけられています。
流産、低出生体重児、先天奇形などの危険性は無いと考えられています。安心してVTD作業を行うことが出来ます。
すなわち妊娠したからといって、自主的にせよ、強制的にせよVTD作業をやめる必要はまったくありません。
『VDT作業自体の問題点〜VDT症候群 〜』
長時間のコンピュータ操作(VDT作業)によって、視覚障害、肩こり、筋肉痛、頭痛、不眠、などの不定愁訴や自律神経失調症様の訴えが起こり、VDT症候群などと呼ばれています。
また、眼症状に関しては、VDT作業がドライアイの原因と考えられています。
VDT作業はディスプレイを集中的に見なければならず、瞬目数(まばたき数)が減少することがドライアイの原因と考えられています。
このような問題を起こさないようにするには、適度な休息が大切です。自覚症状がなくても長時間のVDT作業を避け、ましてや自覚症状が出たならば速やかに休息をとることが大切です。
『妊娠とVDT症候群 』
VDT症候群は、妊娠しているかどうかは関係ありません。
妊娠しているからといって特にVDT症候群になりやすいということはありません。
もちろん、長時間のVDT作業は避けるべきで、適度の休息が大切なのは当然です。